アプサラス一族は美女揃いなのですが、そのなかでも特に美しかったと言われるのがアプサラスの「ウルヴァシー」さま。この方の物語をお話しませう。
とある人間の男、プルラーヴァス君は、偶然見つけたウルヴァシーの姿に一目惚れ。
結婚するのは彼女しかいないと心に決め、種族が違う彼女に正式に結婚を申し出ます。
ウルヴァシーは、彼のその一途さに惚れ、結婚を受け入れました。
ただ一つ約束をかわしました。「私がOKというとき以外そばに来ちゃだめ。あと、あなたの裸をみせちゃだめ。もし約束をやぶったら私は一族の元に返らねばなりません」と。
プルラーヴァス君はその約束をOKし、二人は幸せに暮らしました。
しかし!彼女たち一族、アプサラスやガンダルヴァたちはそれをみとめなかった。 策略をねって、彼が裸でいるときに、彼女の大切な子羊を奪って外で彼女に悲鳴をあげさせたのだ。
プルラーヴァス君は彼女の身に危険がせまったとおもい、裸で外に飛び出した。
それをみた彼女は約束をやぶったことになり、そのまま一族の元へ帰らされてしまいました。
悲しみにくれたプルラーヴァス君。愛するウルヴァシーを探しに世界中を放浪します。
ようやくみつけたのですが、やはり会うことは許されません。
「もし君とこれ以上離れるのならば、僕はこの場で死んでしまうよ!」
そう訴える彼に、 ウルヴァシーは妥協案として
一年に一度だけ会うことが許されました。
その後、彼は一族に認められ、二人は幸せに暮らしましたとさ。
アレですね。姿を見せてはいけない、という禁忌はギリシア神話のエロスとプシュケのお話のようでもあり。神話によくある黄泉に下った妻を探す夫の姿でもあり。天女伝説や七夕の話を彷彿とさせるストーリーでもあり。おそらく原型なのでしょうな。。 |