ガリガリにやせた体、死体のはらわたを引きづり出して口に運ぶ姿、 体に蛇を巻き、乳はしぼんで垂れ下がっている。
とまあ、お世辞にも美しいとは言いがたい容貌なわけです。
お化けみたいにでかいバンヤン樹の下で、死骸の上で踊るわけです。
たまに、象の皮をかぶった姿でも描かれるのだけども、それは、シヴァ様の荒ぶるお姿「パシュパティ」に由来。
人が受ける苦しみを一身に背負う姿がキリストと重なる、と、 遠藤周作の「深い河」にも登場した女神様といえば
小説や映画知ってる人は思い出すかも。
あの話の中で、 チャームンダーは人々の苦しさを背負う役目を負っている、と説明されていましたが、
まさにそんなかんじですね。
普通、皆が隠したがる不吉で不浄な部分を、ここまでビジュアル的にあらわした神も少ないのでは。。。キモッ!
インドの神様には二面性があるというのは何度も書きましたけど、死があるから生があり、
それらは切り離すことができない。死を思わせるからこそ人はそれを信仰し、生への力を得ようとする。
といったところでしょうか。
この女神はシヴァの奥様の「ドゥルガー」とも同一視されてます。
てのは、「水牛の悪魔を退治する女神」というモチーフはドゥルガー女神にあったものじゃなくて、
もともとの起源はインドのマイソール地方、チャームンディー山あたりにあったみたいなので、
その山の神様がチャームンダーの語源だったようです。
つまりこのチャームンダー様も、他の女神と同じようにシヴァ信仰に取り込まれていた女神なのでしょうな。
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