ダーキニーはインドの魔女とされ、大女神であり血に飢えたカーリーの従者として位置づけれる。墓場で集会を開き、怪しげな儀式を行い、死肉を喰らい、というところは、西洋の魔女にもなぞらえられるけど、たぶんこれは、タントリズムと密接に絡んでいるんだろうなと思う。
→詳しくはタントラ、タントリズムを参考に。
一応女神ではないということになっているけども、地方によっては結構ガッツリと信仰されていたりする。パールヴァティーやカーリーは聖典にも記載がある正当な、人格のある女神、というところだが、ダーキニーに関してはダーキニー女神という一人の女神がいるわけではない、というところが違いかも。
中世インドでタントリズムが流行していたころにできた寺院で、ダーキニー寺院という珍しい遺跡がある。小さいものの、円形にずらりと女神たちが並んだ姿には圧倒される。彼女たちの像はサーキニー、ダーキニーなどと呼ばれ、今は村の片隅にあり、しかし小さく息づいているのだ。 |