■インダス文明
有名なモヘンジョ・ダーロとかのインダス文明の遺跡を 築いたとされるのはドラヴィダ人っていうのだ。 そのドラヴィダ人ってのは、肌が黒くて今南印度あたりに住んでる人たちが末裔らしい。
もっともドラヴィダ人以前にいた原住民も印度にはいるんだけどね。
そのあと、アーリア人っていう、肌の色が白くていまの西洋系の人たちの祖先が じわじわと印度の北から住み着いていって、 彼らが中心の制度を作り上げていったんだな。
■バラモン教の時代
肌が白い彼らは、自分たちの都合のいいように身分と職業をわけた。
カースト制度といわれるこれは、「ヴァルナ(肌の色)」「ジャーティ(職業)」によって 身分を細分化する制度なんだけども、おおきくわけたらこんなかんじ。
・バラモン(僧侶:宗教関係の偉い人)
・クシャトリア(貴族:戦争などで働く。王様とか。)
・ヴァイシャ(商人:経済活動)
・シュードラ(奴隷:上のカーストに奉仕)
・それ以外(アウトカースト)
身分や職業は世襲制だから、バラモンたちは自分たち以外が上の位にならないように地位をかためたんだ。 まあこれはこれで秩序は保てるんだけど。
一番身分の高いバラモンたちは、神々を支配するパワーをもっているということになっていたので、「ヴェーダ」と呼ばれる聖典をいくつもつくった。
これで自分たちは神を支配できる=一番トップだぜ!ってわけ。
特に「リグ・ヴェーダ」はその中でも神々への賛歌として、現在も大変重要な聖典のひとつ。内容は「カミサマ万歳!」ってかんじなんだけど、まあ、聖書みたいなもんだな。ヴェーダの神様は、天候とかを神格化した自然の神様。バラモンたちは、毎日ヴェーダを唱えて火を焚いてカミサマにお祈りしてたんだ。
だけど、決めごとが中心ってなったらやっぱ世の中おかしくなる。
■仏教・ジャイナ教がでてきたぞ。
時がたち、バラモン教が祭式ばかりして形式だけになりかかってたとき、 バラモン教は形式ばっかでおかしいじゃないかと、それぞれ修行者達が反対して新しい宗教を作った。ジャイナ教とか仏教がそれなんだな。
特に仏教は、バラモンばかりが権力を握ることを気に入らなかったクシャトリアなどの王族系に支持されたから一時期とても盛んになる。
■ヒンドゥー教ができた。
仏教は一気に広まったけど、時間がたつと 土着の神様や信仰を取りこんだりしてきてだんだん密教化してくる。そしてついに13世紀にはイスラム教が入ってきて、偶像崇拝はけしからんと仏教の建物とかをかたっぱしから破壊していったため、インドでの仏教は最終的には消滅してしまった。
だけど、やはり 同時期に、仏教に押されていたバラモン教もおなじように土着の要素を取り込んでいきつつ力を伸ばしていく。そして、自分たちの神話や宗教と地元の人気の神様を同一視させたりして、
バラモン教は
印度教=ヒンドゥー教として復活したんだ。
仏教は、最終的にはヒンドゥー教に取り込まれ、仏陀はヴィシュヌ神の生まれ変わりとして登場する。
この後、ヒンドゥー教は土着の蛇信仰や女神信仰を取り入れた「シヴァ派」と
土着のクリシュナ・ラーマ信仰を取り入れた「ヴィシュヌ派」に大きく分かれ、
それぞれ発展していきますです。
前者はタントリズムという、密教的な思想が色濃く入ったもの。
後者は、クリシュナやラーマが登場する叙事詩をメインとしたもの。と
系統は異なるのですが、今のヒンドゥー教を体系作っているかんじだね。
で、このサイトで紹介しているのは、そうやって作られてきたヒンドゥー教の経典や叙事詩、物語などで紹介されているエピソード。
明確な意味での創始者がいない宗教なので、
聖典も経典もばらばら。内容もまちまち。もし、神話とかで
「この話が正しい」ってのはなく「どれも正しい」と取ってもらえればうれしいです。 |