カミサマたちの前で公式に相手ということになったので、お父様も結婚を認めざるを得ず。いやいやながら承諾。
しかし、二人の不仲はずっと続きます。
ある日とある重要なパーティーで、 お父様はまたもやシヴァを招きませんでした。
そのパーティーは、名だたるカミサマたちが一同に集う盛大なものだったので、娘のサティーは怒ります。
「お父様!あんまりです!なぜ私の夫をここに呼ばないのですか!」
するとお父様は、シヴァの名誉を気にする娘に激怒して
「あのような男はこの場には相応しくない。それにお前こそなんだ!娘の分際で父に意見するのか!あんな男を選びおって!恥を知れ!!」
と、逆に娘とシヴァを罵倒する始末。(あ~あ。。。)
自分だけならいざ知らず、父によって皆の前で夫まで辱めを受けたことでサティーは心の底まで傷つき、
その場で火の中に飛び込んで自殺してしまったのです。
「おお、なんということだ娘よ・・・」
父であるダクシャは猛烈に後悔しましたが、時すでに遅く・・・
一方、愛する妻が死んだという知らせを聞いたシヴァは、すぐさま戻ってきましたが、
彼女が死んだ理由がわかると激怒のあまり狂ってしまいました。
まず義理の父ダクシャの首をはね、パーティーをむちゃくちゃにし、焼け焦げた妻の死体を腕に抱き、大声で泣きました。
そして彼女を抱いたまま、世界中を放浪したのです。
彼女の死体は腐敗し、黄泉が広がり、世界が闇に閉ざされても、彼は狂気から覚めません。
彼のあまりの姿を見かねたヴィシュヌ神は、サティーの遺体を切り刻んでバラバラにしました。
すると、ようやくシヴァは正気に戻り、自分のしたこと、義理の父を殺したこと、世界が闇になったことを償うため、
長い修行の道へ入りました。
そのとき、サティーの遺体の落ちた場所は聖地となり、その場所からさまざまな女神様が生まれたのです。
その後、ヒマラヤの娘パールヴァティーとして生まれ変わった彼女は
シヴァの元に赴き、生涯彼のそばに寄り添いました。
めでたしめでたし。
※うんちく
じつは、このときの神話が元になって、旦那さんが死んだとき奥さんも一緒に連れ添って、火の中に飛び込んで死ななければならないという風習がインドには根強くのこっていました。
もう禁止されている風習なのですが、持参金が足りないといって姑が嫁を焼き殺す事件もあったり。。。
この風習のことを「サティー」と呼びます。
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